またしても山登りin南アルプス 鳳凰三山①
先月の話になってしまいますが、しつこく山登りのお話。
今年2度目、そして今年最後の山登りです。山の紅葉が目的でしたが、今回初めて縦走というものにチャレンジ。縦走とは1つの山だけでなく山から山へ登って下りること。と言っても今回挑戦した山梨県の南アルプス「鳳凰三山」はその名の通り3つの山を縦走しますが、1泊2日で行ける初心者コースです。地蔵岳・観音岳・薬師岳の3つの山。無事制覇なるか。
例によって前の晩から車で家を出発。前日夜遅くまで仕事に励んでいたのでかなりへべれけ状態。登山口への道のりは夜中にこんな道通って大丈夫かと言うほどの獣道のようなところが延々と続く。するといきなり車の目の前を横切る獣が!小さなイノシシの子供と、雄々しい角を持った鹿。どちらも間一髪で車を避けて通り過ぎましたが、車の中から一瞬彼らと目が合う。夜中の闖入者に向こうも驚いている様子。後で知ったけどこの道は正規の道ではなかったらしい。どうりですごい道のはずだ。
登山口で夜明けを待つ。1週間ほど続いた天候不良で雨の中の登山を心配していたが、風はあるものの雨は止み、少し陽射しが出そうだ。しかし10月の山は初めてだが想像していたより寒く身が縮んだ。車の中で簡単に腹ごしらえをすませ、いざ出発!今回はいくつかあるコースより「ドンドコ沢コース」を行く。のどかな沢沿いを進む。前回の燕岳に比べて、ほとんど途中の景色が見えずひたすら急登を登るよりも、沢のせせらぎを聞きながら、目標とする山頂を仰ぎ見ながら変化のある道のりを行くのは、気分的に楽である。雨上がりの緑が陽に照らされてキラキラ光り、とても清々しい。 途中、少しだけ色づいたもみじがヒラヒラと舞っていた。頂上付近を見上げると、ふもとよりも赤や黄色で色づいているのが見える。これは期待できそうだ。
またこの沢沿いコースでは途中いくつかのポイントでダイナミックな滝を見ることができた。 しぶきを上げる豪快な滝の前では、5人組のおじさんグループが早速お湯を沸かして温かいコーヒーを飲みながら騒いでいた。まるで子供のようなはしゃぎっぷりである。
計画では今日は標準的に歩いて8時間ほどの登りをこなして、3つの山のうち、地蔵・観音と縦走し、最後の薬師岳山頂付近にある薬師岳小屋に宿泊する予定であった。しかし・・・。6時間ほど登ってだんだんと私は無口に。この時点でまだ1つめの地蔵岳すら越えていない。歩けなくはないが、気持ちがついていかず、歩いても歩いても目標に近づけない気がして気が滅入り始めた。まだ時間はお昼過ぎだが、なんとなくお天気も崩れてきたような気がする。そこで計画を変更して、今日は地蔵岳山頂まで1時間ほど手前にある「鳳凰小屋」に宿泊することにした。
荷物を降ろしてひと段落するとすぐに凍りつくような寒さに身体がしびれるような気がしてきた。小雨も降り始め、今日ここに宿泊することにした判断をして良かったとつくづく実感。ありったけの服を重ね着してとりあえず缶ビールで乾杯。 前回の燕岳の山小屋「燕山荘」よりもずっと小さく、ひなびた作りの鳳凰小屋の目の前には赤や黄色に色づく紅葉が広がっている。小屋の素朴な雰囲気とよくあって、派手ではないが心に染みる紅葉であった。
それにしても寒い。半袖のTシャツ、長袖のカーディガン、長袖のカッターシャツ、フリース、その上に風を通さない雨合羽を着たが、震えが止まらない。それなのに先ほど滝の前ではしゃいでいたおじさんグループは、大きなザックの中身はほとんどお酒とおつまみらしく、日本酒やら焼酎やらを開けて乾杯していた。やたら元気である。おじさんになっても、お父さんが家庭やゴルフ以外に行動を共にする仲間がいて、ああやってはしゃいでいるのは悪くないなという気がした。「お父さんは休日はいつも寝ている、もしくはゴルフ」というより、「お父さんはいつも山登り」の方が格好いい。
寒くて仕方ないのでえ夕食の時間まで小屋の寝袋に毛布をかけて眠ることにする。だが寒くて眠れない。小屋の中も外と同じ位寒いのである。寝袋から出した頬が冷たくとうとう眠ることができなかった。
夕食は2回に分けて長テーブルにすし詰め状態で座る。今日のご飯はカレーである。色々と細かいおかずがでるより、こういう単純で食の進むメニューが嬉しい。食堂を見渡すとほとんど中高年グループ。それがまた楽しげにカレーをほお張っていて、なんだか若い頃に戻った気分なんだろうなと思う。
この鳳凰小屋には炭を利用した掘り炬燵があった。足を入れると柔らかい暖かさで、冷え切った身体の芯から暖まる。足元には小屋の支配人が一生懸命作った炭が入れられている。こういう心配りが嬉しい。
明日は一気に3つの山を縦走しなければならない。自分の体力に一抹の不安を感じつつ早いうちに眠りについた。
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