進化するバンコクへ③
久しぶりに訪れたバンコクで、なんとも複雑な思いにさせられたのが、安宿街のカオサン通り。
学生時代に初めて訪れたバンコクで、空港でタクシーを相乗りしたバックパッカーとドキドキしながらたどり着いたカオサン通りは、世界中から集まる旅人達が安いカフェや食堂に集い、怪しい雰囲気を漂わせた場所だった。
1泊100バーツの宿で、空港で知り合った同い年の女の子と部屋をシェアして荷物をおろし、深夜にカフェで初めてのバンコクに乾杯したことが思い出される。2日後、3日後には友達になった旅人もインドやマレーシアに旅立ち、何週間後かにまたこの通りで再会する。寂しさと旅立ちへの不安、そして少したくましくなった友達に再会するのは、なんとも楽しかった記憶がある。
今カオサン通りは、バンコクの再開発に漏れず、取り壊しと新しい清潔な宿としゃれたカフェが並ぶ明るい通りになっていた。
当時は安い食堂で、日本にいる友人や家族に旅先での近況を伝える手紙を書いたものだが、今は乱立するインターネットカフェで、タイムリーに今日の出来事を送れる時代。ヒマなカオサン通りでの時間を、新しい出会いよりインターネットで費やす人も多いだろう。もはや旅の情報交換もインターネットで行うのかな。
通りに面したビアバーで閑散とした通りを眺めながら生ビールを飲んでいると、色々な人々との出会いを懐かしく思い出すとともに、移り行く時代の常とは言いながら、少し寂しい気分になった。
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